営業という仕事は様々な業界で活躍していますが、最近注目を浴びているSaaS業界でも活躍しています。しかしSaaS業界の営業と聞いてもピンとこない人は多いのではないでしょうか。
SaaS業界は徐々に成長している業界ですが、そもそもSaaSとはどのような意味なのか分からない人もいるでしょう。
今回の記事は、SaaS営業の仕事内容や求められるスキルなどを徹底的に解説します。SaaS営業に挑戦したい女性のための仕事の選び方についても解説するので、どの業界で営業に挑戦しようか迷っている女性はぜひ最後までご覧ください。
- SaaSとは?
- SaaS営業の仕事内容
- SaaS営業の種類
- SaaS営業やるなら知っておくべき用語
- SaaS営業に求められるスキルや考え方とは?
- SaaS営業に挑戦したい女性のための会社の選び方
- SaaS営業の年収はどのくらい?安定して稼げる?
- まとめ
SaaSとは?
SaaSとはインターネットを経由して利用するソフトウェアのサービスモデルのことで「Software as a Service」の略です。サース、またはサーズと読みます。
SaaSには無料で使えるものや月額料金で使えるものがあり、具体的にはMicrosoftのoffice365や、ビデオ会議システムのZoom、GoogleのGmailなどがあります。これらを使ったことがある人も多いのではないでしょうか。
SaaSの特徴は「インターネット環境があれば利用できる」「継続的に課金するシステム」です。
買い切り型ではなく、月額課金型であるSaaSを取り入れている企業も増えており、近年SaaS業界は拡大しています。
SaaS営業の仕事内容
SaaS営業の仕事内容はどのようなものなのでしょうか。ここではSaaS営業の具体的な仕事内容について解説します。
モノを「売る」だけではない
SaaS営業は従来の営業とは少し違います。月額課金や年額料金でサービスを提供するSaaSは、これまで主流であった買い切り型のように売れば終わりというわけではありません。
月額課金型は、いわゆるサブスクリプション型(以下、サブスク)と呼ばれるビジネスモデルですが、サブスクで大切なことは「どれだけ継続して利用してもらえるか」です。
満足できる価値を顧客に与え続けることができれば継続して利用してもらえますし、価値がないと判断されればサービスを解約されてしまいます。
解約されると売上が下がってしまうので、契約後の顧客満足度を高めていくことが重要です。つまりSaaS営業は契約までよりも契約後のほうが大事といえるでしょう。
顧客の声を聞いて製品を改善していく
顧客満足度を高めるためには、実際に利用している顧客の声を聞くことが大切です。営業は顧客に正しい利用方法を伝えたり、利用中に不満がないかを確認したりして開発チームに改善点や要望を伝えます。時にはクレーム対応することもあるでしょう。
契約数を増やすことはもちろん大切です。しかしそれ以上に顧客の声を聞いて製品を改善し、利用者の満足度を上げていくことが売上拡大に繋がります。
個人ではなくチームで動く
一般的に営業といえば、アポから契約後のフォローまで一連の流れを一人ひとりの営業が顧客ごとに担当することが多いです。
しかし多くのSaaS企業では、プロセスごとに担当者を分けて分業で進めていく傾向にあります。つまり個人ではなくチームで連携しながら進めていかなければ、仕事は上手く回りません。
上手く連携し正しくチームが機能することで、個人で動くよりも多くの成果を生み出すことが可能です。
SaaS営業の種類
前章でSaaS営業の仕事は分業制が多いと書きましたが、主に次のような種類があります。
- ・ フィールドセールス
- ・ インサイドセールス
- ・ カスタマーサクセス
- ・ マーケティング
どのような内容なのか、順番に解説します。
インサイドセールス
インサイドセールスは近年注目を浴びている営業手法で、顧客と直接対面せずに電話やメール、オンライン会議を利用して営業活動を行なうセールスです。
電話やメールでコミュニケーションを取りながら、顧客のニーズや要望をヒアリングしたり、サービスのメリットや魅力をわかりやすく伝えたりします。
働き方改革やコロナの影響でテレワークという働き方が拡大していますが、インサイドセールスは場所を選ばずできます。そのためテレワークとも相性が良い営業手法です。
ニーズや課題を引き出し、契約見込みがある顧客を精査したらフィールドセールスへ引き継ぎます。
フィールドセールス
顧客と直接対面して営業活動するフィールドセールスは、従来の営業手法といえますが、SaaS企業で活躍するフィールドセールスの場合は少し違います。
なぜならがむしゃらに営業活動を行なうわけではなく、すでにインサイドセールスによって精査された見込みの高い顧客にアプローチしていくからです。すでに興味を持っている顧客と商談するので効率的に営業活動でき、かかるコストも削減できます。
顧客とのコミュニケーションが大切なのはもちろんですが、効率的に営業活動するにはインサイドセールスとの連携が重要です。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、サブスク拡大とともに注目されるようになった職種です。「顧客の成功」と訳せる通り、顧客の問題解決や成功(満足)を目指します。
具体的には顧客とのコミュニケーションの中でニーズや課題を発見し、顧客が不満を抱く前に改善に向け積極的に行動するのが仕事です。
顧客の満足度が高ければ高いほど、サービスの継続利用率は上がるので、SaaSビジネスにおいて、カスタマーサクセスという仕事は重要視されています。
マーケティング
スムーズな営業活動のためにはマーケティングも欠かせません。「誰に」「どのような価値を」「どのように提供するか」を考えながら、見込客獲得のための販促活動を行ないます。
具体的にはメルマガやオウンドメディア、セミナーなどを通じて、自社サービスを知ってもらいますが、存在を知ってもらっても成約につながらなければ意味がありません。
「これなら満足できそう」「他にはない魅力がある」「使ったら成功できる」などと思ってもらえるように顧客視点で伝えていくことが重要です。
SaaS営業やるなら知っておくべき用語
SaaS業界には様々な業界用語があります。SaaS営業に挑戦するなら覚えておきたい用語をまとめましたので、参考にしてください。
ARR
ARRとは「Annual Recurring Revenue」の略です。1年間に得られる収益や利益のことを指し、初期費用やコンサルティング費用はこれに含まれません。年間経常収益や年間定額収益とも呼びます。
CAC
CACとは「Customer Acquisition Cost」の略です。
「顧客獲得費用」を意味し、具体的には顧客1社を獲得するために必要な広告費や人件費のことを指します。CACは「顧客コスト÷顧客数」で算出することが可能です。
LTV
LTVは「Life Time Value」の略で、日本語に訳すと「顧客生涯価値」となります。生涯で顧客がどれだけ利益をもたらしてくれるかを意味しますが、SaaSの場合、契約から解約までの期間に得られる収益のことを指します。
Churn Rate
Churn Rate(チャーンレート)は解約率の事です。継続的に利用してもらうことで利益を拡大するSaaSビジネスは、Churn Rateの数値が高ければ拡大は困難となります。
そして数値を把握しなければ、正しい目標設定はできません。SaaSビジネスでは最も重要な数値といえるでしょう。
SaaS営業に求められるスキルや考え方とは?
Saas営業にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。併せて考え方についても解説します。
ヒアリング力
SaaS営業は顧客とのコミュニケーションを通じて、隠れたニーズや課題を掘り出し、能動的に行動することが求められます。そのためヒアリング力は必須のスキルといえるでしょう。
ヒアリングしながら顧客と良好なコミュニケーションを構築していくことにより、契約継続に繋がります。ヒアリング力というのは話を「聞く」だけではなく、お客様に寄り添う共感力も重要です。
一般的に女性は共感力が高く「お客様の役に立ちたい」「お客様が満足するサービスを提供したい」という気持ちが強くなりやすいと言われています。そのためSaaS営業は女性にもおすすめの仕事です。
課題解決力
課題解決力とは、顧客が抱えている課題を解決する力の事です。契約を結び継続してもらうためには、顧客に自社のサービスが課題解決できることを理解してもらう必要がありますが、最も重要なことは「顧客の課題の本質を見極める」ことです。
表面的な問題ではなく潜在的な課題を見極めることで、根本的な課題解決ができ、顧客の満足度向上に繋がるでしょう。
能動的にサポートしていくことが求められるSaaS営業は、問題が起こる前の課題解決が非常に重要となり、課題解決力もSaaS営業として働く上で欠かせないスキルといえます。
チームとして動いている意識
記事の前半でも解説しましたがSaaS営業は分業制が多く、個人ではなくチームで目標達成を目指します。
そのためSaaS営業として働くならば、常にチームで連携しているという意識を忘れてはいけません。チームが正しく機能することで業務の効率化や、アイディアの多様化など相乗効果を生み出すことができます。
1人で一連の作業を担当して成果を出すよりも、チームワークを発揮して利益を目指したいと考えている女性はSaaS営業が向いているでしょう。
学び続ける意識
SaaS業界は急速に拡大しており、非常に移り変わりの激しい世界です。顧客から信頼を得るためには業界の知識は必須ですが、最新の価値を提供し続けるためには、自身の知識をアップデートしていかなければなりません。
そのため向上心や学び続ける意識を持っていなければ、SaaS営業として続けていくことは難しいでしょう。
SaaS営業に挑戦したい女性のための会社の選び方
SaaS営業の仕事内容を知り、挑戦してみたいと考えている女性もいるのではないでしょうか。仕事選びの基準や条件は人それぞれだと思いますが、女性ならではの会社を選ぶポイントがあります。SaaS営業として長く活躍するための仕事選びの参考にしてください。
ライフスタイルが変わっても働けるか
ライフスタイルが変わっても働けるかどうかを考えてみましょう。女性は結婚や出産でこれまでと生活スタイルがガラリと変わることも多いです。
独身時代は可能だった労働環境でも、結婚したら厳しくなり転職を考えるようになったという人も多くいます。出産した場合、育児休暇などの福利厚生がなければ、退職せざるを得ないこともあるでしょう。
産休制度や育児休暇の取得実績がある会社は、ライフスタイルが変わっても働ける可能性が高いのでおすすめです。
SaaS営業の場合、担当する仕事によってはリモートワークでできることもあります。ライフスタイルが変わったことを考えて選ぶことにより、同じ会社で長く実績を積めるでしょう。
労働環境がブラックでないか
女性に限らずですが、毎日終電で休日出勤は当たり前、パワハラやセクハラが横行している会社では長期間続けるのは困難です。
いわゆるブラックといわれる会社ですが、働き続けることで女性として描いていたライフプランが崩れたり最悪の場合、体調を壊したりすることもあります。
そのような会社に入社しないようにするためにも、応募企業はしっかりと調べましょう。求人情報だけでは実際の労働時間や環境はわかりませんので、しっかりと面接で確認することが大切です。
営業職となると男性ばかりの職場も多いですが、最近では女性が活躍する職場もあります。女性が多く活躍しているということは、女性が働きやすい環境が整っている可能性が高いことが予測できるので、そのような会社に注目してみるのもよいでしょう。
SaaS営業の求人を探すならパスキャリ
労働環境や職場の雰囲気は求人情報だけでは知ることができませんが、だからといって賭けで入社するのはおすすめしません。
そこで役に立つのが転職エージェントです。パスキャリは正社員を目指す女性のための転職エージェントです。担当の女性アドバイザーが、これまでの経験や要望に合わせた求人を女性視点で探し提案します。
実際の労働環境や雰囲気などの情報も包み隠さずお伝えするので、SaaS営業のイメージもしやすくなるでしょう。
SaaS営業の年収はどのくらい?安定して稼げる?
SaaS営業の年収がどれくらいなのか気になる人も多いと思います。ここではSaaS営業の年収について解説します。
年収は300万円~1,000万円と幅がある
まだ浸透し始めた職種ということもあってか、平均年収の公式なデータはありません。求人を調べると会社や経験によって異なり、300万円~1,000万円と幅がありました。
未経験の場合だと300万円~400万円スタートが多いですが、IT業界やネット業界での営業経験があれば初年度でも500万円の年収を期待できる会社もあります。
不動産業界や保険業界のように、大きいインセンティブをもらえるということは少ないかもしれませんが、給料は比較的安定しており、実績を積むことで1,000万円も目指せる仕事です。
外資系のSaaS企業は2,000万円を超えることも
SaaS営業の年収は外資系か日系の会社かによっても異なります。外資系は日系に比べると年収が高く、2,000万円を超える場合もあります。しかし実力主義のため成果を出し続けなければならず、成果が出なければ大幅な年収ダウンということにもなりかねません。
さらに外資系企業には福利厚生という概念がないので、基本的に退職金やボーナスはありません。実力主義で高い年収を目指すなら外資企業ですが、安定性を求めるならば日系がおすすめです。
まとめ
SaaS営業の仕事内容や求められるスキル、女性のための仕事の選び方について解説しました。SaaS営業は、顧客の満足度を向上させるために能動的に行動することが求められます。
満足度向上のためには顧客の潜在的ニーズを把握する必要がありますが、そのためには信頼関係の構築が大切です。共感力の高い女性は顧客に寄り添う接客や気遣いが得意な傾向があり、SaaS営業に向いているといえるでしょう。
女性がSaaS営業に挑戦する場合、ライフスタイルが変わっても働けるか、女性が働きやすい環境かをポイントにして選ぶことも大切です。
自分にぴったりなSaaS営業がどれかわからないという女性は、パスキャリにご相談ください。あなたのスキルや経歴をじっくりとヒアリングし、ぴったりのSaaS営業求人を探す手伝いをします。面接対策などもサポートするので、効率的な転職活動が可能です。ぜひご活用ください。