近年カスタマーサクセスという仕事の需要が増えており、女性を中心に人気が高まっています。
しかし用語を聞いたことがあっても、具体的な仕事内容は知らないという人も多いのではないでしょうか。この記事では、カスタマーサクセスという仕事についてフォーカスした内容となっています。
年収や求められるスキル、向いている人の特徴についても解説しますので、カスタマーサクセスに興味がある人は、ぜひ最後までご覧ください。
カスタマーサクセスの仕事内容とは?
カスタマーサクセスという仕事は、2000年頃にアメリカで導入され始めました。日本に入ってきたのは2005年頃ですが、一般的に浸透しはじめたのはここ最近の話です。
カスタマーサクセスは、簡単に言えば「顧客の課題を解決し、成長や成功に導く」役割を持つ仕事です。
これだけ聞いてもあまりピンとこないかもしれません。しかし、実は、私たちが日常生活で利用している身近なサービスで、カスタマーサクセスは女性が活躍していることもたくさんあります。
カスタマーサクセスの仕事内容
それでは具体的な仕事内容を見てみましょう。カスタマーサクセスの仕事の目的は「顧客を成長や成功に導く」ことです。
カスタマーサクセスは、サブスクリプション型ビジネスを展開している企業で多く活用されており、目的を達成するために顧客より先回りしてアクションを起こしていくことが求められます。
サブスクリプション型ビジネスとは、定額制サービスのことです。サブスクリプションについては、のちほどまた詳しく解説します。
例えば、顧客がサービスを契約した後、続けて利用してもらうためには、顧客にとって魅力的であったり、ニーズを満たしたりするものでなければなりません。反対に顧客に不満が溜まればサービスの継続はしてもらえないでしょう。
そこでカスタマーサクセスは、不満なくスムーズに利用できるようなサポートや、課題解決を行ない、顧客を成功へ導いていきます。
その方法は、サービスの利用を開始した顧客向けに利用方法の説明会を開催したり、コミュニティを作成し、顧客同士の交流の場を作ったりなど様々です。サービス継続率や解約率などのデータを分析し、そこから新たな課題の発見や、改善策を見つけていくこともします。
カスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスと聞いて、カスタマーサポートを思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。どちらも顧客をサポートするという点では同じですが、カスタマーサポートは、お客様からの問い合わせやクレームが発生したときにサポートをします。
先回りして、問題が発生する前に行動するカスタマーサクセスと違い、お客様が問題を抱えたときに解決へ導くのがカスタマーサポートの仕事です。
能動的なサポートがカスタマーサクセス、受動的なサポートがカスタマーサポートだと考えるとわかりやすいでしょう。
カスタマーサクセスが求められている理由
以前は、耳にすることがすくなかったカスタマーサクセスですが、なぜ近年需要が増えているのでしょうか。
ビジネスモデルの変化
一つ目の理由にビジネスモデルの変化が挙げられます。従来のビジネスモデルは買い切り型が主体でした。しかし現代は先ほども触れたサブスクリプション型が増えつつあります。
サブスクリプション型ビジネスとは、定額制サービスのことです。契約後、毎月決まった料金を支払っている間は、サービスを利用し続けられます。
代表的なサブスクリプション型ビジネスに動画配信サイトや音楽配信サイトがありますが、これらを利用している人も多いのではないでしょうか。
月額1,000円程度で動画が見放題というのは、1本3,000円のDVDを買うよりも安価で、配信されているものから好きなものを好きなだけ観られるのでかなりお得です。
しかし、すぐに解約されてしまっては、企業側は儲かりません。毎月継続して利用してもらう工夫をする必要があります。そこでカスタマーサクセスの登場です。
どうすれば顧客に継続して利用してもらえるか、ニーズや課題を把握して顧客に成功体験を与える必要があるサブスクリプション型ビジネスの拡大に伴い、カスタマーサクセスの需要も増えるようになりました。
他社・競合との差別化
二つ目の理由が、他社との差別化を図るためです。現代は同じような物やサービスが溢れています。例えば音楽配信サービスは、大手からベンチャーまで、多くの企業が展開しています。ただ音楽が聴けるだけでは、顧客は継続してくれません。競争が激化しているなかで勝ち抜くためには、他との差別化は必須です。
差別化を図るためには、顧客のニーズや課題に先回りして応える必要があります。どのような顧客がターゲットなのか、ターゲット顧客が求めているのはどのようなサービスかを分析し、ニーズを満たしたサービスを提供することで、顧客の利用率もアップするでしょう。
このような背景からもカスタマーサクセスを導入する企業が増えています。
上記の2つの理由から、今後も需要は増えていくと考えられるでしょう。カスタマーサクセスという仕事は、まだメジャーな仕事とまではいかないものの、非常に将来性のある仕事と言えます。
カスタマーサクセスに求められるスキルとは?
カスタマーサクセスになるためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。カスタマースキルの業務は多岐にわたるので、求められるスキルも様々です。ここでは特に必要なスキルを解説します。それが次の4つです。
●ヒアリングスキル
●提案スキル
●コミュニケーションスキル
●問題発見スキルと課題解決スキル
なぜこのようなスキルが求められるのでしょうか。順番に解説します。
ヒアリングスキル
カスタマーサクセスは顧客から不満や問い合わせがくる前に、先回りして行動していく必要があります。そのためには、顧客の悩みや課題を引き出すための「聞く力」が必要です。
しかしただ聞くだけでは意味がありません。「最適な提案をする」という目的をもって聞くことが大切です。相手の立場に立ち、理解しようとする姿勢を持ちながら聞くことで、顧客の隠れた悩みやニーズを引き出すことができるでしょう。
提案スキル
ヒアリングで顧客のニーズや悩みを引き出せたら、次はそれらを満たす、または解決に導くために最適な提案をしていきます。
「なぜこの提案なのか」「この提案で得られる効果は何か」などをわかりやすく伝え、顧客に受け入れてもらうために提案スキルは重要です。
わかりやすい提案のコツは、まず伝えたいゴールを決め、そこから内容を考えていくことです。例えば売りたい商品に対して「この顧客は商品を使うことにより何を得るのか」をゴールに決めて、得られる理由や具体例を組み立ててストーリーを作っていきます。
日頃から伝えたいことのゴールを決めて話す習慣をつけることで、より早く提案力を身につけられるでしょう。
コミュニケーションスキル
顧客との信頼関係を築くことが重要なカスタマーサクセスは、コミュニケーションスキルも求められます。
信頼関係を築けなければ、顧客の隠れた悩みやニーズを引き出すことはできません。顧客と密なコミュニケーションで信頼関係を築くことにより、はじめて本音を聞き出すことができます。
コミュニケーションスキルは、営業や事務など他の仕事はもちろん、プライベートでも役立つスキルなので、身につけて損はないでしょう。
課題発見スキルと問題解決スキル
顧客の何気ない一言や言動の中に、問題や課題が隠れていることがあります。それはまだ顧客自身も気づいていないことかもしれません。
カスタマーサクセスはこれをいち早く発見し、最適な解決を図ることが求められます。そのためには、発生する可能性がある問題をあらゆる面から予測し解決法を準備しておく、または事前に対処しておくことが必要です。そのために求められるのが課題発見スキルと問題解決スキルです。
これらのスキルを磨くためには、常に常識や前提に疑問を持つ考え方である「ゼロベース思考」を持つとよいでしょう。
常識にとらわれずに物事を考えることで、柔軟な物の見方ができるようになり、新たな課題発見やアイディアが思いつきやすくなります。
カスタマーサクセスの年収ってどのくらい?
カスタマーサクセスの年収がどのくらいなのか気になる人も多いと思います。
年収については、350万~900万円と企業や業界によってかなりばらつきがありました。
(参照:indeed 東京都のカスタマーサクセスの平均年収・給与)
なかには年収1,000万円を超えるものもあります。カスタマーサクセスは特に必要な資格はなく学歴も関係なく挑戦できる仕事です。
インセンティブ制度を導入している企業もあるので、結果を出せば大きく稼ぐチャンスがあるでしょう。
もしカスタマーサクセスへの転職を考えていて、自分にぴったりな企業を見つけたいと思っているならば、転職エージェントの活用がおすすめです。
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カスタマーサクセスが向いている人の特徴
カスタマーサクセスの仕事は、未経験でもチャレンジできる仕事ですが、向き不向きはあります。ここではカスタマーサクセスが向いている人の特徴を解説します。
相手の成功を喜べる人
カスタマーサクセスは顧客を成長・成功へ導く仕事です。契約したら終わりではなく、契約後からカスタマーサクセスの本当の仕事の始まりです。
相手の気持ちに寄り添い共感し、どうしたらさらに喜んでもらえるか、相手にとって利益になるのかを考えられる気持ちがある人は、カスタマーサクセスに向いていると言えます。
感情的じゃない人
カスタマーサクセスは顧客から集めたデータを分析して、課題発見や問題解決を行ないます。成功のためには、データから論理的に答えを導き出す作業は欠かせません。
そのため、感情や相手の気持ちに共感しすぎて、それだけで意思決定してしまう人は向いていません。お客様に寄り添い共感しながらも、論理に基づいた意思決定が求められます。そのため感情に振り回されず、冷静に分析・対処できる人は向いているでしょう。
積極的な人
積極的に動くのが好きな人は、カスタマーサクセスに向いていると言えます。カスタマーサクセスは、顧客よりも先回りしてアクションを起こしていくことが仕事です。受け身の仕事ではないので積極性がない人は、ストレスになってしまう可能性もあります。
お客様からのアクションで、そのお客様に合う対応をしたいと考える人は、カスタマーサポートの仕事が向いているでしょう。
まとめ
カスタマーサクセスはビジネスモデルの変化や、競合との差別化を図るために注目が集まっている仕事です。
サブスクリプション型ビジネスも、様々な業界で広がっているので、今後もカスタマーサクセスの仕事の需要は増えていくと考えられるでしょう。
まだまだメジャーな仕事ではないかもしれませんが、私たちが利用している身近なサービスで、カスタマーサクセスは活躍しています。
「相手を喜ばせることが好き」「積極的に動くことが好き」という人は、カスタマーサクセスに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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