セラピストとしてマッサージ師を目指している人はいませんか?
セラピストが行う施術の中には、マッサージが含まれるものも数多くあります。
しかし、ほとんどのセラピストは「マッサージ師」ではありません。
では、マッサージ師とはいったいどんな人のことなのでしょうか?
そして、セラピストとマッサージ師にはどんな違いがあるのでしょうか?
その答えを見てみましょう。
2つの違いが分かれば、セラピストとしての新たな人生が見えてくるかもしれませんよ。
- セラピストとマッサージ師は別物かチェック
- セラピストとマッサージ師を比較検証
- メリット・デメリットに違いはある?
- どっちを目指す?迷ったときのポイント
- セラピストやマッサージに興味があるならパスキャリに相談!
セラピストとマッサージ師は別物かチェック
セラピーの中には、マッサージを使って心や身体を癒すものがたくさんありますよね。
そのため、セラピストのことをマッサージ師と呼ぶ人もいますが、これは大きな間違い!
マッサージ師という職業には法的なしばりもあるため、正しい意味をしっかり押さえておきましょう。
セラピストの定義
セラピストとは、手術や投薬を伴わない治療や癒しを与える職業です。
治療と癒しとでは意味合いが大きく違います。
使われる手法も現代医学から民間療法までさまざま。
そのため、セラピストには多彩な職種が含まれます。
「手術や投薬を伴わない」マッサージで「治療」を行うマッサージ師は、セラピスト枠の職業です。
マッサージ師以外にもマッサージをセラピーに取り入れているセラピストはいます。
しかし、マッサージ師以外のセラピストを「マッサージ師」と呼ぶことはできません。
マッサージ師の定義
セラピストの1種であるマッサージ師。
具体的にはどんなセラピストなのでしょうか。
定義はずばり、「あん摩マッサージ指圧師」の資格を取得した人です。
これは国家資格ですから、国による許可を得て医療行為を行える人ということになります。
マッサージを行うほかのセラピストとの大きな違いは、セラピーの目的に「治療」とうたえることです。
保険診療も行えます。
マッサージ師は国が認めた治療者、ドクターということです。
セラピストとマッサージ師を比較検証
マッサージ師とその他のセラピストは似ているように感じる部分もあります。
しかし、職業として考えたとき、どんな違いがあるのでしょうか。
違いを「目的」「資格」「学校」「勤務場所」「給料と待遇」の5ポイントに分けて比較してみましょう。
検証1|目的
セラピストはセラピーの目的により、大きく2つに分けられます。
まずは「治療」を目的とした「医療系セラピスト」。
マッサージ師をはじめ、医療行為が法的に認められたセラピストはこの枠に入ります。
もうひとつは「癒し」を目的とした「リラクゼーション系セラピスト」。
こちらは医療行為が許されていませんので、セラピーで「治療」を行うことはできません。
あくまでも心や身体の負担を軽くし、快楽を与える目的で行います。
マッサージ師 | その他のセラピスト | |
---|---|---|
施術の目的 | 治療 | リラクゼーションや癒し |
保険診療 | できる | できない |
検証2|資格
マッサージ師になるには、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の取得が絶対条件です。
その他のセラピストが行うリラクゼーションマッサージについては、民間資格もありますが、無資格でも行えます。
多くの民間資格はスキルのレベルを示すもの。
中には、外国で国家資格として扱われるものもあります。
リラクゼーションマッサージであっても、何かしらの民間資格を取得していれば、レベルの高さを効果的にアピールできますよ。
国家資格 | 民間資格 | 無資格 | |
---|---|---|---|
医療としてのマッサージ | できる | できない | できない |
リラクゼーションマッサージ | できる | できる | できる |
検証3|学校
マッサージ師の勉強は、文部科学大臣の認定した学校か厚生労働大臣の認定した養成施設でしか行えません。
期間も3年以上と決められていて、これが国家資格試験の受験資格となります。
参考:『厚生労働省|あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行』
マッサージ師になるために学校を出ても、自動的に国家資格をもらえるわけではありません。
卒業後、資格試験にトライして合格すれば、晴れて「あん摩マッサージ指圧師」を取得したマッサージ師になれます。
その他のセラピストの場合には、民間の専門学校やスクール、通信講座など、さまざまな選択肢があります。
得られる資格も認定資格から修了証、検定など学校によって違うため、資格にどんな意味合いがあるのか調べてから学校を決めた方がいいですよ。
資格を取るための学校 | 内容 | |
---|---|---|
マッサージ師 | 大学 | 臨床実践プログラム/ 健康科学プログラム |
専門学校 | 医療概論と東洋医学、 あん摩マッサージ実技 |
|
その他のセラピスト | 専門学校 | 専門知識と実技 |
通信講座 | 主に専門知識のみ |
検証4|勤務場所
マッサージ師には医療行為が認められているので、勤務場所の多くは医療現場です。
医師や介護士などと連携を取りながら働くことも少なくありません。
また、衛生学やリハビリなど医学の勉強もしているため、専門知識をもってスポーツ選手をサポートするスポーツトレーナーとして活躍しているマッサージ師も大勢。独立する人が多いのも特徴ですね。
マッサージ師以外のセラピストがマッサージを行う場所は、リラクゼーションを目的としたサロンになります。
なお、マッサージ師の資格をもったセラピストであれば、同じサロンでも好条件で就職できますよ。
マッサージ師の職場 | その他のセラピストの職場 |
---|---|
・病院やクリニック ・介護、福祉施設 ・スポーツトレーナー ・エステサロン ・ホテル |
・エステサロン ・スパ ・ホテル ・プライベートエステ |
検証5|給料と待遇
マッサージ師とその他のセラピストの給料と待遇を比べてみましょう。
実はあまり大差はありません。
需要が高い分、価格競争で人件費が安くなる傾向だからです。
平均年収はマッサージ師の方がやや高め。
これは国家資格をもつ強みです。
とはいえ、サロンや施術院に勤める場合、福利厚生など基本的な待遇はどちらも変わりません。
国家資格をもったマッサージ師の多くは、割と早い段階で独立しています。
その場合には、この年収よりもかなり上を狙えるでしょう。
その他のセラピストは、サロンなどで十分な経験を積んでからでなければ、独立してもビジネスとして成り立たない可能性があります。
マッサージ師 | その他のセラピスト | |
---|---|---|
平均年収 | 約363万円 | 約351万円 |
雇用形態 | 正社員/派遣/アルバイト | 正社員/アルバイト |
給与形態 | 固定/歩合 | 固定/歩合 |
(2020年9月25日現在)
メリット・デメリットに違いはある?
似ているようでちょっと違うマッサージ師とその他のセラピスト。
その魅力や大変な点にも違いがあるのでしょうか。
そこをちょっと掘り下げて見てみましょう。
メリットやデメリットが許容範囲であるかどうかは、どちらの仕事を選ぶか決める上でとても大切なポイントです。
セラピストとマッサージ師のメリット
主に、国家資格をもっているかどうかがメリットの違いを生んでいます。
マッサージ師の大学や専門学校では、単に資格を取得することだけでなく、1人前のマッサージ師として卒業後すぐに活躍できるよう準備させてくれます。
そのため、正社員にこだわらずすぐにでも独立することが可能です。
その他のセラピストは資格取得にかかる時間が短いため、働きながらスキルを磨いていくことができます。
仕事の内容も医療行為ではないので、求められるスキルもそれほど高いものではありません。
マッサージ師 | その他のセラピスト | |
---|---|---|
準備期間 | 3年以上しっかり学ぶので、 仕事を始めるとすぐに独立できる |
学ぶ期間が短いので、 すぐにでも働き始められる |
仕事への姿勢 | 痛みや病気を治療する医療従事者として、 高いプロ意識をもって仕事ができる |
癒しを目的としているため、 高いレベルのスキルがなくても 責任を問われることがない |
需要 | ある | ある |
他の仕事への 応用 |
他のセラピストになる場合にも 国家資格が強みになる |
他の資格を取得することで 仕事の幅を広げられる |
セラピストとマッサージ師のデメリット
マッサージ師とその他のセラピストには、ちょうど鏡で映したように反対方向のデメリットが存在します。
どんな仕事にも苦労は付き物です。
マッサージ師 | その他のセラピスト | |
---|---|---|
準備期間と コスト |
最低でも3年は学ばなければならず、 学費もそれなりに高い |
数日で学べるものから 2年程度かかるものまで幅広く、料金も多様。 ただし、選択を間違えると役に立たない 資格しかもらえない |
責任 | 治療を目的としているため、 効果がないと責任を問われることも |
レベルにばらつきがあるため、 内容と料金が見合っていないと クレーム対象になる |
独立 | 独立するのは簡単だが、 大規模展開で成功している人は あまりいない |
大規模展開で成功している人もいるが、 独立に失敗し廃業する人も数多い |
どっちを目指す?迷ったときのポイント
マッサージ師とその他のセラピスト、どちらを目指すべきか悩むこともあるでしょう。
どちらにも異なる魅力とデメリットがあるからです。
そんなときには優先順位を決めて、メリット・デメリットを比較してみましょう。
比較ポイントを説明します。
信頼とキャリアが欲しいならマッサージ師
国家資格が強みのマッサージ師には、マッサージ師として医療現場で働くだけでなく、他のセラピストとしてキャリアアップするという道も開かれています。
スポーツトレーナーやリラクゼーションセラピスト、スパセラピストがマッサージの国家資格を取得していれば、より質のいいサービスを提供できます。
何よりお客様の安心感が違いますよね。
将来のキャリアアップを見越してマッサージ師を目指すという選択肢は、大いにアリです。
おしゃれなお店で働くならセラピスト
医療機関で働くのとサロンで働くのとでは、職場の雰囲気がかなり違います。
消毒液の香りとアロマの香り、無機質な白壁とラグジュアリーなインテリアなど、少し比較するとその違いは分かりますよね。
おしゃれな職場環境を求めるのなら、マッサージ師である必要はありません。
時間とコストを気にしないならマッサージ師
「あん摩マッサージ指圧師」の資格を取得しておけば、マッサージ師としてだけでなくさまざまなセラピストとして好条件で働くことも可能です。
しかし、そのためには最低でも3年間勉強しなければなりません。
授業料もトータルで300万円から500万円ほどかかります。
マッサージ師の資格にそれだけの魅力を感じているのなら、覚悟を決めてマッサージ師を目指しましょう。
目指したからには資格を取るまで頑張ってくださいね。
すぐにでも働きたい人はセラピスト
その他のセラピストは無資格でも始められます。
すぐに働いて自活したいという人なら、資格のいらないセラピストという道がおすすめです。
無資格・未経験のセラピストを受け入れ、教育してくれる企業もたくさん。
働きながら勉強もしなければならないため、楽ではありません。
しかし、実践の中でスキルを磨いて行けるので、実力は付きますよ。
セラピストやマッサージに興味があるならパスキャリに相談!
国家資格が必要なマッサージ師もセラピストではありますが、資格のいらない他のセラピストとは違い、医療行為としての治療が行えます。
マッサージ師の資格があれば、他のセラピストとして好条件で働くことも可能です。
マッサージ師をはじめ、さまざまな職種が含まれるセラピスト。
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