様々な分野で活躍する社会人にフォーカスして、価値観やキャリアの積み方を根掘り葉掘り聞いちゃおう☆というコーナーです。
今回は、会社員→フリーランスで成功→会社員というキャリアを持つ、WEBデザイナー歴17年の小谷さんにお話を伺いました。
実は、WEBデザイナーという仕事にこだわりは無い、という小谷さん。
それでも続けている理由とは?なんで成功したフリーランスから会社員に戻ったの?
根掘り葉掘り、聞いてきました。
ド素人状態で入ったこの世界。初めは、なんのこっちゃ分からなかった。

小谷さんは、WEBデザイナー歴17年と伺いました。
17年前当時、珍しい職業だったのでは。

そうですね。
iモードとか、ezwebとか、そんな時代。
mixiも、まだなかったです。
もちろんガラケーだし、ネットも全然発達していませんでした。

懐かしいサービスたち!
mixiって今の10代知ってるのかな…
楽しそうに話し始める、WEBデザイナーの小谷さん。(今回は緑多めでお届けします)

ね。そんな時代です。
簡単に情報を得られるっていうのが斬新だったんですよね。
まあ、これを使って世界中の人を幸せに…

素敵!

したい、とかは全くなくて。

え?

そんな志は全くなくて。
大学を出たあと、いわゆるフリーターをしていて、「そろそろ就職を」と思ったときに求人誌の目立つところに載っていたのが、WEBデザイナー募集だったんです。

え、それが理由ですか!
じゃあ、まったくの初心者で?

そう!
ネットはたまに見る、くらいのド素人でした。
WEBデザイナーって言葉も初めて見たし。

それでよく応募しましたね…

なんとなく、ホームページを作る人なんだろうなと察して(笑)
ただ小さな会社だから「なんでもやる!」というスタンスで。
営業マンが取ってきた案件に、打ち合わせからがっつり参加していて、なんなら途中から一人で参加して。
入社3か月目からは、一人で打ち合わせに行ってました。(笑)

営業もする、デザイナー。

でも初めなんて、打ち合わせしてもよく分からないんですよ。
要望は聞くんですけど、なんのこっちゃって。
「打ち合わせをしても、なんのこっちゃ分からなかった。」

できるかどうかも、分からない状態ですよね…

だから言ってましたね。
「できるかどうかは、分かりません。でも、やってみます」って。

おお…!
やります!と言い切りは、しなかったんですね。

だって分かんないなと思って(笑)
でも、それでもやってましたよ。なんとかして。
とにかくやってみる。がむしゃらに学んだのち、フリーランスへ。

まあ、実践から入ってたから、効率よく勉強できたのは良かったかな。
教科書を1ページ目からやってたら、無駄も多かったと思う。
でも自分は相手のニーズを聞いて、そこをピンポイントで学んできたから。
「ニーズを知ってからスキルを学ぶ」というのは、誰でも使える勉強法かもしれない。

そのあと、フリーランスに転向したんですよね。

なんかこの会社、制作費高いわりに給料上がらないなって思って。
で、スキルもある程度身についたし、一人でできるんじゃないかって思って。

すごく説得力のある退職理由です。
フリーランスになってからは、順調に?

いや、全然。
普通、いくつかクライアントを確保してから辞めると思うんだけど、自分は何もないのに辞めたんですよ。
だから、会社を辞めたらいきなり収入がゼロになって。
一人暮らしだったから、いくばくかの貯金を切り崩してやってましたね。

軌道に乗ったきっかけは、何だったんでしょう。

結果から言うと、ナイトワーク系の受注を受けるようになったんですけど。
ある日ニュースを見てピンと来たんです。
当時の都知事が「オリンピック誘致のためにそういうお店の看板を街からなくそう」って言って。
街並みが変わったんです。

いわゆるキャッチ(街頭での客引き)が、できなくなったと。

そう。それで、集客手段が雑誌かWEBに限られるなって思って。
じゃあ、まだどこもしっかり作っていないホームページを自分が作ればいいんじゃないかと。
「集客手段が雑誌かWEBに限られるなって。」ピンと来た。

ニーズを見つけ出したんですね!

ニーズって、小さな気づきから、生まれるもんなんですよね。
でも…

でも…?

最初はなかなか、ホームページの必要性を分かってもらえなくて。
めちゃくちゃ電話をかけて営業してました。

どうやって、分かってもらえるようになったんですか?

「イメージしてもらうこと」を大切にしました。
最初はスピード感を出して、「すぐ作りますよ!」って言ってたんですけど。
ホームページの必要性を、分かってもらえていないなって気づいて。

イメージ。

結局、ホームページがあることで自分たちの仕事がどう良くなるのかを伝えないと、スピード感なんて価値ないなと思って。
だって今まで、なくても仕事になっていたわけだから。
未知のサービスなんですよ、向こうからしたら。
それで、ダミーで作ったサイトのURLを見てもらったり、具体的にどんなふうに変わるのかを説明したりして。
そうするうちに、じゃあ試しにお願いするかっていう会社が出てきて。

努力が実った瞬間!

そうしたら、業界の中でちょっとした口コミになって、そこから一気に50件くらい仕事が来ました。
「ホームーページを作ったら、こんな風に良くなりますよ!さあ!って。」

で、一応管理もするということで月額でお金をいただいて。
といっても、難しいシステムを入れたりこまめに更新したりということはなかったんですけど。
それで、数万円×50社の収入を得られるようになったんです。

一気に駆け上がりましたね!
しかも結構稼げている。
そのまま、フリーランスを続けようとは思わなかったんですか?

8年くらいやってたんだけど、フリーって、休みがないんですよ。

そうなんですか?自由なイメージがあったのに…

厳密にいうと、休めるのに休めないんです。
やればやったほど稼ぎになるし、税金やいざというときのための貯金を考えたら、稼いでも稼いでも足りなくて。
だから、ついつい仕事をしちゃう。
四六時中、働いちゃうんですよ。
「稼いでも稼いでも足りなくて、ついつい仕事をしてしまっていた。」

人数を増やしても、人件費がかかっちゃいますもんね。

それもあるし、採用に自信がなくて。
誰かを雇っても、結局自分で手直ししそうだな…とか、信頼できるか見極めないとな…とか考えると、一人でやった方がいいやって思ったんですよね。

デザインだと、センスや好みの問題もありそう…

で、余裕がないから新しい挑戦もできず。
だったら会社に入った方が、色んな事ができるんじゃないかと。
あと、一人で仕事してると、誰とも話さない日もあったから、誰かと話したいなって。

フリーランスは孤独との闘いかもしれない…

そうそう。なんか、チームで仕事をしてみたくなったんですよね。
チームで働いて、新しいことをやりたくなった。そこで選んだのが、会社に入ること。

それで、今の会社に入られたんですよね。
この会社だ!と決めた理由は、ありますか?

いや。

もしかして…

正直、どこでもよくて。
求人サイトで「WEBデザイナー」って入れたら一番上に出てきたんですよ。
新着だったのかな。
で、場所を確認したら通えるところだったから、応募しました。

最初の会社と、変わらない…!
求人「誌」が求人「サイト」に変わっただけじゃないですか!笑

(笑)
給料も見てなかったし、どんな業界のサイトを作ってるのかも知らないまま面接へ向かいましたね。
そこに求人があったから、応募したって感じです。
「そこに求人があったから、応募した。」(そんな登山家みたいなこと言われても)

すごいですね、なんか。

面接を受けたら、即採用で。
そこで初めて、条件を見ました。
良かったんですよ、条件なんてどうでも。
会社でチームの仕事をすることが目的だったから。

お給料とか気になりませんでした?

フリーランスより下がることは分かりきっていたから。
お給料は重要じゃなかったんですよね。
まぁ…取り扱っている業界くらいは、調べても良かったかな。

絶対そうだと思いますよ(笑)

でも、求人サイトにすべて載っているわけではないじゃないですか。
言葉の取り方もそれぞれだと思うし、結局入ってみないと内情なんて分かんないから…調べたところで一緒かもな…

今、イメージ通りに働けていますか?

いや、100%思った通りではないですね。

ありゃ。

そんなに、新しい挑戦はできていないです。
会社に入るとチームで動けるから、色々始めやすいと思っていたけど…
実際は、チームだからこそ舵切が大変でした。
会社に所属しながら、舵を切るのはなかなか大変。

と、おっしゃいますと…?

一人だと、アイデアが浮かんでからのスピード感が速いんですよ、自分で決断できるから。
でも、会社だと承認を得る回数が多かったり、色んな調整が必要だったり。
何かを始めるとき、こんなに工程が多いんだって痛感しました。

チームだからできることもあるけれど、チームだから重たくなるケースもあると。

そういうことですね。
「自分の大切なものを守るため」が仕事のモチベーションになる

そんななかで、今やりたいことってありますか?

うーん…

バンドかな。
「バンドかな。」

へっ????????

憧れてるんですよ、バンド。
高校生のときに組もうってなって、じゃんけんで負けてベースを買ったんですけど。
でもみんな買わなくて。
自分だけですよ。アンプまで揃えたのに、結局何もせずで…

ちょっと待ってください、バンドですか?

はい。
でも、バンドは仕事にしたくないかなぁ…

いやいやいや!
流れ的に、仕事でやりたいことなんですけども!

あ、そう??
じゃあ…
講師のような仕事に興味があります。

講師、ですか。

誰かに、何かを伝えたいなって。
「誰かに、何かを伝えたい。」(めっちゃ笑顔)

漠然度100%じゃないですか…
(なんかこのインタビュー雲行き怪しくなってきたな…)
WEBデザインの講師ってことですか?

WEBデザインにこだわりはないです。
ただ、以前受けたセミナーの講師がめちゃくちゃ面白くて、ああこの仕事すごいなって思ったんですよね。
あれって、自分がやったことない領域でもできるのかな…

場合によってはできると思いますけど…
ビジネス書をモチーフにしたセミナーって、著者じゃなくてもやっていますし…
というか、え、WEBデザインにこだわりないんですか?

ないですよ。
元々、WEBデザインがやりたくてこの仕事を始めたわけでもないですし。

そんなこと、ここで言っちゃって大丈夫ですか…?
会社の方、ご覧になりませんか…?

大丈夫!
こだわりがない=仕事に無責任、ではないので。
こだわってはいないけど、真剣にやりますし結果にはこだわります。
WEBデザイナーにこだわりはなくとも、結果にはこだわる。

17年続けている仕事だから、てっきり「これしかない!」と思っているのかと…

全然(笑)

そんなモチベーションでここまで続けてきている理由って、なんなのでしょうか…

稼げているからです。

ストレートですね。

というのも、本当に好きで好きでこだわり満載なことだったら、たぶんお金にならなくてもやってると思うんですよ。
自分は、仕事としてWEBデザイナーをしているというのが大前提。
これで食べていけてなかったら、辞めていると思います。

たしかに…

今、すごくバランスがいいんです。
自分は結婚していて子どももいるので、まずは家族を養えて不自由なく暮らせることが何よりも大切。
そのうえで、働きづめになるのではなく、家族との時間を持ちたいと思っていて。
仕事に割く時間・家族と過ごす時間・暮らしていく収入の3つのバランスが、取れている。
これは大きいですよ。

あ、だからさっきバンドは仕事にしたくない、と。

そうです。
もっと若くて独身だったら、バンドでなくても、まずは「好きなこと」「興味なこと」を追っていたかもしれない。
でも、自分にとって一番大切なのは家族だから。
そこに負担をかけてまで、好きなことをしようとは思わないですね。
自分にとって一番大切なのは、家族。(今日イチの笑顔です!)

なんか小谷さんがカッコよく見えてきました…!

仕事なんて、なんでもいいんです。
こう言い切っちゃうと、なんか投げやりな感じがするかもしれないけど、家族が守れれば、いい。

「そんなモチベーションで」ここまで続けてきている理由なんて訊いて、ごめんなさい…

いえいえ(笑)
とはいえ、仕事だって人生の一部ですからね。
好きで始めたわけではないし、こだわりもないけど、それなりにやりがいは感じているんだと思います。

仕事を一生懸命やっているうちに、あとから付いてくるものなのかもしれないですね。
仕事を一生懸命やっていたら、やりがいはそれなりに付いてくる。

そうですね。
なんだかんだいって、新しいサービスを考えたり、アイデアを共有してフィードバックもらったりはしてますから。

今の言葉を聞くと、かなり意欲的に思えます。
「忙しい」って言っている人は、結局「暇」。

フリーランスの忙しさだと、今のバランスは取れなかったですよね、たぶん。

そうですね。
ただ、「忙しい」って思うのは、やりたくないことだからだと思っていて。

ん??

無駄だなあと思うこと、本当は自分に必要ないと感じていることをやっていると、「忙しい」という感情になるんじゃないかなって。
「忙しい」って思うのは、やりたくないことだから

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