エステティシャンの仕事には施術のほかに、サロン商品の購入や新しいコースの契約を提案する営業の仕事があります。
お客様と気持ちよく会話しながら上手に営業するにはトーク力をはじめとする、さまざまなスキルが必要です。
エステティシャンの営業に必要なスキルやトークのコツを知っておけば、お客様に喜んでもらいながらお店の売り上げに貢献することもできますよ。
ここではエステサロンでの営業トークで押さえておきたいポイントをご紹介します。
さらに、お客様が嫌がるトークも解説しますので、参考にして営業スキルを磨いてみましょう。
- エステティシャンは営業トークで差が開く!
- エステティシャンの営業トークの重要ポイント
- ちょいワザで好感度UP!信頼される営業トーク
- 気をつけて!お客様が嫌がる営業トーク
- 就活にも役立つ!印象のいい営業トークの3要素
- 未経験で不安なときは研修が充実したサロンを選ぼう!
エステティシャンは営業トークで差が開く!
エステティシャンとしてキャリアアップしていくためには、接客技術が欠かせません。
もちろん、エステの技術や知識を磨いていくことは必要です。
そこに高い営業スキルが加わると実績が数字で表れるため、さらに評価されやすくキャリアアップにつながるでしょう。
「営業トークは苦手……」と遠慮がちでいると、自信がない印象を与えてしまいます。
とはいっても、お客様の意思やニーズを汲まずに押し売りしてしまうと嫌がられてしまい、売り上げにもつながりません。
加減をわきまえ、お客様を思った営業ができれば、ますます信頼されて売り上げを伸ばせますよ。
エステティシャンの営業トークの重要ポイント
営業トークは「売りたい」という雰囲気が伝わってしまうと、お客様は心を閉ざしてしまいます。
難しいですよね……。
「押し付けられている感」を与えないよう、自然に販売につなげるにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
4つのポイントを押さえておきましょう。
お客様に必要だと感じさせる
エステサロンに来ているお客様は美容に関心のある人です。
だからといって、美容成分や専門知識を並べ立てても、お客様には響かない場合があるでしょう。
大切なのは、お客様に「これは自分に必要だ」と感じてもらうことです。
「アンチエイジング」「お手入れの手軽さ」「ストレス解消」など、お客様に合わせた魅力を伝えるようにしましょう。
お客様の悩みや希望を共有する
自分の悩みにぴったりの商品を提案されると、思わず受け入れてしまいがちです。
そんな営業をするためには、お客様の悩みや希望をしっかりと引き出すコミュニケーションが重要。
お客様が悩みを打ち明けてくれたら、「分かります、辛いですよね」と共感していることを伝えましょう。
自分の悩みエピソードを交えるとお客様も話しやすくなりますよ。
礼儀をわきまえながら距離を縮める
お客様の悩みや希望を自然な流れで聞き出すためには、雑談が欠かせません。
ただし、言葉づかいや内容にはお客様に対する礼儀や敬意が表れるように配慮しましょう。
プライベートについて根ほり葉ほり尋ねたり、宗教や政治などデリケートな話題を持ち出したりすることはNGですよ。
礼儀をわきまえながら気取らない雑談を心がけましょう。
その中からでも、お客様の生活スタイルやコンプレックス、美への考え方などを知ることができます。
どのような変化が期待できるかをイメージさせる
結果がイメージできれば、提案された商品やコースを試してみたいというモチベーションが高まります。
そのためには、口で言うだけでなく「目で見えるものを使うと効果的です。
たとえば、効果を説明するイラストやビフォーアフターの画像など……。
お客様はこのような「目で見えるもの」に自分を重ねてイメージしていきます。
ちょいワザで好感度UP!信頼される営業トーク
では次に実践編です。
営業トークは行き当たりばったりで行うものではありません。
準備と心構えが必要になります。
「必要だと感じさせる」「悩みや希望を共有する」「距離を縮める」「変化をイメージさせる」という4つのポイントを営業トークにどのように活かせばよいのか、 具体的にできることをご紹介しましょう。
お客様に会う前にカウンセリングシートを確認する
まずは事前にカウンセリングシートをチェックしておきます。
誰にでも同じ商品をすすめるのではなく、お客様ひとりひとりにあったものを提案するためには、お客様のデータをきちんと頭に入れておかなければなりません。
カウンセリングシートを見ながら、お客様のニーズを探ります。
ニーズにあった商品をどれくらい、どのように提案するのかを具体的に考えておきましょう。
名前呼びをする
雑談をするときは「○○様はお休みの日、何をされていますか?」といった具合に、お客様の名前を使って話しかけるようにしましょう。
名前を使うと特別感を演出できますよ。
また、「自分のこと覚えていてくれているんだ!」と親近感もわいてきます。
親近感が芽生えると、悩みやプライベートも打ち明けてくれるようになりますよ。
悩みやライフスタイルを聞きだす
悩みに加え、ライフスタイルを把握しておくことも大切です。
同じ肌の悩みでも、化粧品が合わないのと睡眠不足とでは対処法も違ってきます。
睡眠不足にも、忙しさやストレス、年齢などさまざまな原因が考えられるでしょう。
雑談の中で「出勤時間が長い」「夜型生活」「子どもがいる」といったライフスタイルが分かれば、よりお客様に合ったアドバイスができるでしょう。
営業トークにも説得力が加わりますよ。
なるべくポジティブに言い換えて伝える
お客様に提案する商品を決めたら、その魅力をどのように伝えるかを考えましょう。
とはいえ、ネガティブな点に一切触れずにいると、うさん臭さを感じさせるかもしれません。
ネガティブポイントをあらかじめ押さえておき、ポジティブに言い換えて伝えるのがおすすめです。
たとえば、「高額」なら「自分へのごほうび」と言い換えられますよ。
写真や動画も使ったトークが大事
視覚からの情報は感情に訴えやすいと言われています。
写真や動画を上手に使って営業トークに説得力を加えましょう。
お手入れの仕方や施術の動画を見せると、お客様が自分をそこに置き換えてイメージしやすいため、ぐっと現実的になります。
また、お客様と同じ年齢層や悩みをもつ人のビフォーアフター画像を使えば、「自分もこんな風になりたい」という強い動機付けにもつながりますよ。
気をつけて!お客様が嫌がる営業トーク
「やるべきこと」が分かったところで、今度は「やってはいけないこと」を整理しましょう。
営業トークを間違えると、販売につながらないだけでなくお客様が離れてしまうという最悪の結果になることも……。
そうならないためにも、お客様を不快にさせるポイントをしっかり押さえておかなければなりません。
勧誘や押し売りがしつこい
まず嫌がられるのは、しつこい営業です。
特に日本人は「ノー」と言いづらい国民性なので、何度も「ノー」と言わなければならない場面は苦に感じてしまう傾向にあります。
「ノー」と言われたら引き下がりましょう。
さらにお客様に気まずい思いをさせないような配慮があれば、かえって信頼してもらえるきっかけになりますよ。
他社を批判するネガティブ発言が多い
商品やコースを提案する際には、自信をもって説明しなければその価値が伝わりません。
しかし、気を付けたいのが他社の批判です。
他社を下げて自社商品の価値を上げるというやり方は、かえってサロンの品位を落としかねません。
「○○社の商品は高いばかりで効果がない」「○○サロンからうちに多くのお客様が移ってきた」などといったフレーズは使わないようにしましょう。
お客様をげんなりさせてしまいますよ。
すすめる商品が高額なものばかり
販売実績のことを考えると、できれば高額な商品をまとめて購入していただきたいと思うかもしれませんね。
しかし、すすめる商品がいつも高額なものばかりだと「私のことじゃなくて、売り上げのことだけ考えているんだな」と思わせてしまう可能性があります。
すすめるものは、お客様のニーズに合った商品であることが第一条件です。
「自分のためにすすめてくれている」とお客様に納得していただける商品を吟味していきましょう。
お客様を否定する
美容に関心のあるお客様は、自分なりのスキンケアやメイク法をもっているものです。
たとえそれが間違っているとしても、ストレートに否定しないようにしましょう。
大切なのは、お客様が遠慮せずになんでも話せる雰囲気づくりです。
否定してしまうと心を閉ざしてしまうかもしれません。
間違ったやり方のせいで悪い影響が出ている場合には、自分の失敗談を織り交ぜるなど、受け止めやすい伝え方を考えてみましょう。
就活にも役立つ!印象のいい営業トークの3要素
エステティシャンに向いているのは、やる気があってコミュニケーション能力の高い人。
これは、面接でも重視されるポイントですよ。
エステティシャンとして営業に欠かせない能力には「身だしなみ」と「言葉遣い」「態度・対応」の3要素があります。
この3要素は、お客様に与える印象を大きく左右するため、しっかり押さえておきましょう。
1.身だしなみ
人は見た目で人を判断してしまいがちです。
しわや汚れの付いた服装では、だらしない印象を与えてしまいます。
きれいになるために来ているのに、対応する人に清潔感がないと期待が薄れてしまいますよね。
清潔で品のよい身だしなみをしていれば、美容のプロという印象を与えられますよ。
美容に関わる仕事では、身だしなみは重要です。
2.言葉づかい
お客様との雑談は情報収集に欠かせない手段です。
しかし、礼儀を欠いてしまうと不快にさせてしまいます。
お客様にきちんと敬意を払い、気持ちよく会話するためには正しい言葉づかいを身に付けていなければなりません。
フランクでありながらも敬語や丁寧語をきちんと使って話せば、お客様の気持ちをスムーズに聞き出せますよ。
3.態度・対応
エステサロンのお客様は基本的に1対1で向き合うぶん、エステティシャンのちょっとした態度やしぐさにも敏感です。
お客様の話にはあいづちを打ち、内容にあわせて笑うなどきちんと反応しましょう。
お客様は「自分のことをちゃんと見てくれている」と心を開いてくれますよ。
接客業なので、お世辞やジョークもときには必要です。
明るくハキハキとした話し方を心がけましょう。
不愛想に腕を組んだり、スタッフ同士でニヤニヤしたりするのはNGです。
未経験で不安なときは研修が充実したサロンを選ぼう!
接客技術もエステティシャンにとって大切なスキルです。
「営業はやっぱり難しそう……」と不安にならず、「人と話すのが好き」という人なら十分素質がありますよ。
大切なのはお客様を思っての営業ができているかです。
サロンによっては、営業スキルを身に付けられるよう教育してくれるところもあります。
研修や指導プログラムが充実したサロンに就職したい人は、ぜひパスキャリにご登録ください。
美容業界に強いパスキャリなら、研修制度のしっかりしたサロンをご紹介できます。
また、パスキャリには美容業界出身のアドバイザーが多数在籍。
エステサロンに求められる言葉づかいや身だしなみなど、しっかりレクチャーします!